Peter’s Viewpoint #15
原子力復権と日本の立ち位置
10/31付け電気新聞記事「[ワールドエナジー]原子力開発、せめぎ合い/米、先進炉主導権狙う」に一言👇
ネットゼロの目標達成には、再生可能エネルギーと温室効果ガス削減の取り組みだけでは不十分だということが広く認識されている。データセンターの負荷が増加していることを考えると、これは特にリスクの高い戦略だと言えるだろう。
バイオマス、水力、デマンドレスポンスに重点的に取り組むことは、良い取り組みではあるものの、現実的にネットゼロに到達するには不十分だ。水素にも将来性はあるが、この戦略がもたらす影響を適切に評価するには時期尚早だろう。
その結果、原子力への支持が復活し、政治家や、小型モジュール炉(SMR)などの新しい原子力ソリューションへの投資家が原子力を支持し始めている。ここ数年で、世論が原子力を支持しているかどうかは、それほど大きな問題ではなくなってきている。
現在、この復活を主導しているのは米国、中国、ロシアだ。この3か国は、SMRを自国内における電力安定供給の解決策と輸出機会の両方として捉えている。私は、日本がこの分野を牽引するのにふさわしい位置にあると考える。日本はどの国にも劣らない、あるいはそれ以上の原子力に関する知識を有しており、福島原発事故以降の安全性の向上を考慮すると、恐らくその知識で横に並ぶ国はいないだろう。
本シリーズは、業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。
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