Peter’s Viewpoint #10
日本の特異な市場構造
9/26付け電気新聞記事「『同時市場』導入を明記/エネ庁検討会が中間報告」に一言👇
自由化された電力市場で、スポット市場・時間前市場・需給調整市場が分離されている市場は他に類を見ない。日本は、これらと容量市場が全て異なる組織によって運営されている特異な自由化市場である。系統運用全体にとっても、様々な市場参加者にとっても、これは効率的ではない。
OCCTOが設立され全面自由化が始まった頃、我々はすべての市場(スポット、需給調整、容量等)をOCCTOの管理下に置くという案を提示した。これは、ほとんどの海外のISO(Independent System Operator「独立系統運用機関」)と同じ構造であり、ISOは送電、卸売市場の信頼性維持の担保、需給調整等の市場機能を担っている。
ご承知の通り、一つの事業体への統合案は実現しなかった。しかしこれに似た構造がなければ、規制当局は複数の市場運営者間で市場ルールを絶えず微調整し続けることになるだろう。
本シリーズは、業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。
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