Peter’s Viewpoint #3
FIP事業者に恩恵のない市場構造
8/8付け電気新聞記事「『優先給電ルール』⾒直しの⽅針/FIPの出⼒制御、当⾯回避」に一言👇
固定価格買取制度(FIT)モデルの下で再生可能エネルギー設備を建設した開発業者にとって、この案が通過することは、既存プロジェクトのROIとリスクプロファイルの変化を意味する。 FITによる再エネ供給のほとんどは、電力会社によって化石燃料や原子力発電よりも高い単価で買い取られているため、電力会社はこの変化を受け入れる可能性が高い。
一方、フィード・イン・プレミアム(FIP)開発事業者にとって、この案はあまり大きな変化をもたらさない。なぜならほとんどの場合、彼らは電力会社に販売するのではなく、JEPX市場に販売するか、小売事業者や企業のオフテーカーに販売するからだ。つまり、電力会社に販売する場合と比べて、出力制御のリスクは元々高くない。
何を最初に送電するかというジレンマは、発電側にとっての電力市場を、現在のスポット市場と電力会社が支配する市場ではなく「クリアリングモデル」に変更することで解決できるかもしれない。
「クリアリングモデル」では、すべての発電された電力は(相対取引分を除いて)主に価格(場合によっては場所)に基づいて送電され、供給が需要を上回るとマイナスになる可能性がある。これにより、純粋に自由市場と経済原理がいつ何が送電されるかを決定することになる。また、より流動的な取引市場となるだろう。
本シリーズは、業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。
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