Peter’s Viewpoint #6
GX2040ビジョン案の不可解な点
8/28付け電気新聞記事「[GX動向]政府、40年ビジョンのたたき台を提示/電力・通信網を一体開発」に一言👇
本ビジョンには、原子力発電の再稼働や、継続的な安全性信頼性を確保するための高コスト・ハイリスクな取り組みに対する官民プロジェクトへの資金援助など、多くの建設的な提案が含まれる。
不可解なのは産業立地政策で、企業やデータセンターがクリーンエネルギー地域に集中することが想定されている。 これは特に目新しいものではなく、日本政府はかねてより豊富なクリーンエネルギー供給を利用できるデータセンターや次世代半導体製造のために北海道への立地を推進してきた。
新設工場を除いて、多くの産業が生産拠点をクリーンエネルギー地域に移転すると考えるのは無理があるように思える。 企業にとっては、工場を新設するコストと熟練した従業員を失うリスクが、クリーンエネルギーの地産地消のメリットを上回るはずだ。
データセンターにとって、光ファイバーへのアクセスは立地の第一条件だ。電力は重要な要素だが、クリーン電源に近くても光ファイバー へのアクセスがなければ機能しない。
クリーンエネルギー地域に工場やデータセンターを立地するために必要な投資と、これらの企業が既に確保している場所にクリーンエネルギーを供給できるように送電網を大幅にアップグレードするために必要な投資とを比較評価すると興味深い視点が得られるかもしれない。
本シリーズは、業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。
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