電力先物市場への新規参入についてPeter’s Viewpoint #14

電力先物市場への新規参入について

ICEが信頼性のある評価の高い取引所であることは明らかだ。しかし、なぜ今、日本で4番目の電力先物市場を立ち上げようとしているのか、疑問に思う人もいるだろう。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)によって、既に3番目の市場参入は試みられている。CMEの日本取引所では、まだ1つの契約も取引されていない。

日本におけるICEの先物取引の仕組みは、基本的にEEXとTOCOMが既に提供しているものを模倣したものなので、トレーダーを興奮させ、より多くの流動性を引き出すような決定的な違いは見当たらない。

先週(10月21日~24日)は東京で電力市場関係者が集うJapan Power Weekが開催され、EEXとTOCOMによる素晴らしい一連のプレゼンテーションや、Vanir等トレーディング業界のパートナー企業による様々なセッションが共同開催された。ICEのサービス開始がもう間もなくだというのに電力取引コミュニティから500人以上が集まったこの時に、ICEはなぜローンチ・イベントを開催しなかったのだろうか?

願わくば、ICEが日本で既に軌道に乗ってきた両先物市場に水を差すことなく、成功してほしいものだ。

本シリーズは、業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。

スキッピングストーンでは、海外の自由化先行市場で培った知見を基に、電力リスク管理、2024年以降のエネルギー市場動向、システム選定のノウハウ等のホワイトペーパーを作成し、無料で配布しています。ホワイトペーパーページはこちら

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