Peter’s Viewpoint #24
コーポレートPPA市場の現状
1/16付け電気新聞記事「東北電力、新幹線に再エネ電気/太陽光由来でJR東とPPA」に一言👇
まずは、両社におめでとうとお伝えします。
以前我々は、国内の再エネPPA市場と法人需要について調査したことがある。結論から言うと、FIT制度の下での再エネ供給量は、今後数年の法人需要を満たすには十分ではない。洋上風力発電を追加しても、供給不足はあまり変わらない。
コーポレートPPA市場は、予想通り、緩やかなスタートを切っている。我々が耳にするのは、多くのPPA契約が次の購入サイクル(12月~1月)か、その次のサイクルで締結されるだろうという見通しだ。その多くは、脱炭素の報告要件に牽引されている。
同時に、すでに購入プロセスを開始している企業から聞こえてくるのは、PPA価格が高すぎるという声だ。PPA価格は、太陽光では15~19円台、洋上風力では20円台半ばと聞いている。もちろん、いずれもJEPXスポット価格より高い。企業がPPA契約を締結するかどうか、驚くような価格とコンプライアンス要件との狭間で企業がどう決断するのか、今後の動向が興味深い。
再エネ開発業者に価格引き下げを迫っても、PPA価格がJEPXスポット価格に近づくことはないだろう。経済性と開発コストがそれを許さないのだ。
本シリーズは、業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。
弊社では、刻々と変化する国内再エネ市場で事業展開を図るお客様に、海外事例を基にベストプラクティスをご提案いたします。「自由化市場の成功モデル」サービスページはこちら。