Peter’s Viewpoint #36
問われる大手電力のリスク管理
4/17付け電気新聞記事「レベニューキャップ、物価上昇の早期反映を」に一言👇
記事では触れられていないが、再生可能エネルギー発電を系統に接続するために徴収される収入はすべて上限額に算入されているのだろうか。この分野では多額の収益が計上されているようだ。
私の知る限り、海外市場では、大手電力会社が遡及して支払いを受けている例はない。考慮すべき点がいくつかあるだろう。
- 需給調整市場を運営する大手電力会社は、JEPX が課しているような取引手数料の導入を検討してもいいかもしれない。或いは年会費も。その金額は、妥当な利益を確保できる水準に設定し、収益上限に適用すべきだ。
- 大手電力会社が小売事業者の与信調査を行わないのはなぜだろう。具体的な数字は見当たらないが、全ての小売事業者が期日までの支払いを履行しているわけではないだろう。
- 収益上限に関する料金改定案を提出する大手電力会社は、人件費、インフレ率等を織り込むべきと考える。これらを正確に予測するリスクは電力会社が負うべきであり、予測が間違っていた場合はその責任を自社で負うべきだ。
本シリーズは、電力・ガス業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。
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