Peter’s Viewpoint #47

激変するエネルギー業界で「キャリアを切り拓く人」の共通点

エネルギー市場の自由化は、企業に新たな機会をもたらす一方で、そこで働く人々にも大きな変化を求める。規制、市場環境、ビジネスモデルが絶えず変わるなかで、いかなる人材が成長し、キャリアを切り拓いていくのか。本稿では、私自身がエネルギー会社で数百人規模の採用に携わり、また自由化の途上にある小売事業者、トレーダー、公益事業会社を支援してきた経験から、その共通点を考える。

自由化されたエネルギー市場で働くことには、特有の難しさがある。規制や市場環境は常に変化し、それに伴って職務内容も変わる。企業そのものも、組織全体に影響を及ぼす戦略的・戦術的な変化を経験する。職務内容に一貫性を求める人にとって、こうした環境はストレスになり得る。一方で、変化へ柔軟に適応してほしいと考える経営陣にとっても、対応の難しさを感じる場面が生じる。

第一に重要なのは、継続的に学び続ける姿勢である。新聞、ブログ、規制関連のブリーフィング、その他の情報源に目を通し、変化を把握し、先を見越して行動することが求められる。職務内容が変わったと告げられるのを待つのではなく、できる限り事前に備えておくべきである。新たな規制や市場環境の変化が自分の業務に影響すると考えられる場合は、指示を待つのではなく、自ら経営陣に確認する。その姿勢は、主体的に考える力として必ず認識される。

第二に重要なのは、学びを踏まえて、自分の職務や関連する業務機能に対する改善提案ができることである。効果的なのは、提案内容を一、二ページ程度の簡潔なメモにまとめる方法である。いきなり機能面の変更点を説明するのではなく、まず提案の背景にある規制や市場の変化を示す。そのうえで、会社がなぜ対応を検討すべきなのかを整理し、最後に具体的な変更案を提示する。変化を理解し、それを自分の業務に引き寄せて考えられる人材は、組織にとって大きな価値を持つ。

私の経験では、この二つの姿勢を備えた人ほど、より早く昇進し、成長していく傾向がある。一方で、指示を待つだけの人、最新情報を追っていない人、職務内容の変化に戸惑い、ときに不満を口にする人は、昇進候補として検討されにくくなる。変化の大きい市場では、与えられた役割をこなすだけでなく、次に何が起こり得るのかを考え、組織にとって必要な行動を自ら見つける力が問われるのである。

私が長年大切にしてきた言葉の一つに、「私だけが考えているなら、私たちは危機にある」というものがある。この言葉には、学び続け、改善を提案できる人材が力を発揮し、存在感を示し、正当に評価される職場環境を育みたいという思いが込められている。リーダーが自分のアイデアや戦略に自信を持つことは大切である。しかし、その背後にいるチームがそれに共感せず、適応せず、必要に応じて異議を唱えることもしないのであれば、その組織は戦略を現実の成果へと結び付けるうえで苦労することになる。

自由化されたエネルギー市場でキャリアを築くうえで、最も重要なのは、変化を避けることではなく、変化を理解し、自分の成長と組織の成果につなげることである。自ら考え、学び続ける人材こそが、私がこれまで率いてきたすべての会社において、成長、イノベーション、そして収益性を支える鍵であった。

本シリーズは、業界30年以上の経験を有するスキッピングストーン会長兼CEOのピーター・ウェイガンドによるエネルギー時事コラムです。

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